エアコンから温風がでなくなった・・・
寒い冬、一刻も早く温風を出して車内を温めたいので、アイドリングで放置。
いつまで経っても、温風が出ない・・・。
このような症状の車を時々見かけます。
よく発生する不具合は二つ
ひとつは、エアコン電装内部のエアミックスドモーターなどの温度切り替え部品が作動していないことがあります。エアコンの温度調整レバーやダイヤルを操作しても、冷風の通路のまま動いていないことが考えられます。レバー操作式のエアコンなら、レバーと繋がっているワイヤー取り付け部などが破損して、風通路の切り替えができていない場合いが多いです。又、オートエアコンなら、風通路の切り替えを行うモータが固着して動いていない場合があるので、モーターの交換が必要になります。
もう一つの原因として考えられるのは、サーモスタッドという冷却水路内の部品の不具合が考えられます。
サーモスタッドとは冷却水温度の調整を行っています。エンジン冷間時は冷却水温度を上げるためにラジエーターという冷却水冷却装置への水路を断ち、エンジン内部で冷却水の循環を行っています。
エンジンが温まってくると、徐々にサーモスタット内部が開き始め、レジエーターへ冷却水を流し、冷却水温度を下げ、冷えた冷却水は再度エンジンに送られ、エンジンを冷やします。
また、冷却水はエアコン内部のヒーターコアという部品にも流れ、このヒーターコアに風を車内に温風を出します。
このサーモスタッドの内部が開いたままで固着してしまった場合、冷間状態でもラジエーターへ冷却水が流され冷やされ続けるので冷却水温度が上がらない、つまり、ヒーターコアへ冷たい冷却水しか流れないので冷風が出続けてしまいます。
この場合は、サーモスタッドの交換が必要になります。

左図は取り外したサーモスタッド。この状態ではサーモスタッド内部は閉じています。
サーモスタッドを水に沈めて熱していくと、徐々にサーモスタッドが開いていくのが確認できます。もし、サーモスタッドが開かなかった場合は、温まった冷却水がラジエーターに流れず冷却されないので、オーバーヒートの原因にもなります。
最後に
今回の症例は冬に気づくことが多いです。エアコン操作のレバーが重い、温度調整のダイヤルをまわしたら、内部で異音がしている、水温の上がり方が遅くなってきたなど気になる点ありましたらお近くのい整備工場にご相談されてみてはいかがでしょうか。